この羽根付きキューピーを見て、思わずニャっとした方は、小学生のころポキール経験者であろう。昭和30~40年代までは、ハエが室内を飛び回ってたりと食生活において不衛生な時代であった。また、昔は人糞肥料の野菜を食べることがあったので、ぎょう虫が体内に侵入する可能性があったのだ。そんな訳で小学3年生まで、ポキールというシールを肛門に貼り付け、ぎょう虫がいるかどうかを検査させられたのである。
ぎょう虫がいると、お尻がかゆくなり、その為に落ち着きがなくなったりするらしく、オイラは親から「虫がいるんじゃないか?」とよく言われていた。しかし、検査で陽性になったことは一度もなかった。当時はウォシュレットなんて無く、単に不衛生で肛門がかゆく、落ち着きがない性格だっただけのようである。
その当時、学校ではクラスの保険委員を皆がやりたがらなかった。何故かといえば、クラス全員のポキール集めをさせられるのが嫌だったからである。そして、シールにウンチをはさんで、膨れたポキールを持ってくるのがいるなんて恐ろしい噂もあったからだ。
ところで、羽根付きキューピーには「丸輪太郎」という名前があるそうだ。丸輪は、シールに◎が印刷されているからだろう。衛生環境が良くなったことで、ぎょう虫検査は廃止になるそうであるが、丸輪太郎の姿と微妙な微笑みを忘れることはできない。